反転とマイナス・エネルギーという考え方

イデア界、メディア界、現象界、各界の反転をマイナス・エネルギーによると考えているが、それは、正しいのであろうか。

Aイデア界B/Cメディア界D/E現象界F

の図式で考えると、例えば、現象界において、E→Fの志向に対する反転として、F→Eという、言わば、逆志向が生じると考えられる。前者をプラス・エネルギーによるものとするならば、当然、後者はマイナス・エネルギーによるものと考えられる。
 この問題に関しては、1/4回転の力学を考えなくてはならない。イデア界における最初の1/4回転がある。それに呼応して、メディア界、現象界の生起がある。この、イデア界の最初の1/4回転で、メディア界と現象界が形成される。そして、次の1/4回転で、それが、「脱構築」されると考えれるだろう。だから、奇数の1/4回転で、構築作用が生じ、偶数の1/4回転で、脱構築(解体)作用が起こるのではないだろうか。 そうならば、例えば、ポスト近代の動きをどう考えるべきか。今は、作業仮説として述べるが、先に述べたことと関連するが、イデア界における回転を前提条件にして考えたい。つまり、イデア界が永遠回帰として、回転運動をすると仮説した上で、1/4回転を考えることにする。
 そこで、イデア界の最初の1/4回転が、メディア界を形成し、そして、現象界を形成したと考えられる。これは、《力》の連鎖である。では、二回目の1/4回転は何を意味するだろうか。それは、解体・「脱構築」だと思う。最初の1/4回転が近代主義を意味するならば、二回目の1/4回転は、ポスト近代を意味するだろう。では、三回目の1/4回転は何を意味するのか。それは、新たな近代主義だろう。これは、ポスト近代に対する反動とも考えられよう。大澤真幸氏の「アイロニカルな没入」をここで、考えることができるだろう。つまり、再近代主義である。そして、四回目の1/4回転が、イデア界の回帰、永遠回帰となり、これは、不連続的差異論を意味するだろう。
 このように考えられるならば、これらの1/4回転は、確かに時代に関係するが、同時に、超時代的と考えれるだろう。ニーチェは、自身も考えていたが、はるかに時代を先駆けて、現代・未来的なのであるし、また、フッサールもそうである。つまり、彼らは、四回目の1/4回転に属する先駆的哲学者であると考えられる。
 もし、以上の考え方が正しいならば、イデア界の諸1/4回転は、時代の展開と、同時に、超時代的な様相を意味するだろう。後者は、主に、天才が担うものである。例えば、デカルトは、近代主義を生んだだけでなく、ポスト近代、さらに、イデア再帰の思想の先駆であると言えるのである。結局、この諸1/4回転の動きは、実現されずにはいないだろう。しかしながら、占いのように、時期を限定するのは、完全に誤りだろう。例えば、西洋占星術のように、現代は、水瓶座の時代になりつつあるというのは。それは、機械主義である。そうではなくて、諸1/4回転は、無時間・永遠回帰であり、時代を限定しないと考えるべきである。ただし、傾向・志向として、時代において、実現されつつあるとは言えるだろう。(だから、進化論の問題がここにあるだろう。進化論とは、イデア界から見ると、後れた進展論ではないだろうか。)今は、ここで留めよう。


p.s.

本件のテーマに明確には答えていなかった。反転はマイナス・エネルギーによるのかということであるが、反転は、偶数回の1/4回転で生起すると考えられる。そして、奇数回の1/4回転をプラス・エネルギーと考えるならば、偶数回の1/4回転は、マイナス・エネルギーと考えることができると思う。


p.p.s.

後で、再検討したいが、奇数回の1/4回転が構築作用で、偶数回の1/4回転は「脱構築」作用と述べたが、それでいいのだろうかという疑問が浮かんだ。例えば、奇数回も、偶数回も、つまり、すべての1/4回転は、構築作用ではないのか。では、「脱構築」作用、私がマイナス・エネルギーと言ったものは、どういう力学をもつのか。
 ヌース理論は、双対性という概念が中心的概念となっていて、それが、いわば、全体を貫いていると言えるだろう。これは、物理学で言えば、作用・反作用の力学とほぼ相当しよう。この考え方を適用すれば、+1/4回転と−1/4回転があることになる。つまり、+1/4回転は、作用として、自然数倍展開していくし、−1/4回転は、反作用として、平行して、自然数倍展開していくことになるだろう。そして、+1/4回転の展開が構築作用であり、−1/4回転が「脱構築」作用である。つまり、すべての、構築作用に対して、「脱構築」作用が作動するということである。ヌース理論では、NOOS/NOSと NOOS★/NOS★との双対性ということになるだろう。
 以上の考えによれば、構築作用は、同一性構造によって、現象界・近代主義を形成する。また、これは、ユダヤキリスト教を形成し、西洋文明を形成する。それに対する「脱構築」作用が働くのであるが、それは、ポスト・構築作用として作動するのではないだろうか。初めに、構築作用があり、その後、「脱構築」作用が生起するのではないか。それとも、同時生起なのか。そうならば、現象界は発生しないと思う。初めに、構築作用、+エネルギーの作用があり、その後、「脱構築」作用、−エネルギーが発生するのだと思われるのである。もっとも、正確に言えば、エネルギーではなくて、《イデア》力、虚力であるが。これを原力と言おう、とりあえず。だから、+原力と−原力の双対性があるということになるだろう。 

尚、以上は、以下の追記を独立させたものである。
http://ameblo.jp/renshi/entry-10010479618.html