不連続的差異論入門の進行

不連続的差異論入門は今、Doblogで行っています。
こちらにペーストをしたいと思います。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/53913

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その1
不連続的差異論は、三つの世界から構成されています。
1.イデア界/2.メディア界/3.現象界
この三つの世界が三層となっています。
そして、根源の世界がイデア界であり、それが、メディア界を形成し、メディア界からわたしたちが今生きている現象界が形成されます。
実に簡潔な構成をもった理論です。

その2
不連続的差異論は、古代ギリシアの大哲学者プラトンイデア論を、現代的に活用しています。そして、イデア界を想定しています。しかし、プラトンと異なる点は、イデアが差異であるという点です。たとえば、イデアを同一性としますと、同じものしか反復されません。つまり、ハンコのようで、ワンターンのままです。しかし、イデアを差異にすることで、絶えず、変化するものが生まれるのです。つまり、不連続的差異論は、イデア界に差異があると考えています。
 次に、もう一つ、一番のポイントですが、この差異が不連続であるということです。どういうことかと言いますと、差異が連続すると、差異1と差異2とが、一体になるということです。たとえば、男女が一体になるというのは、一見もっともらしいですが、実は、それぞれ、個というものがあるのですから、一体になるというのは、不自由なことです。
つまり、連続的な差異だと、差異は、自立できません。それに対して、不連続的差異は、差異が自立していて、自由であります。差異と差異とが一体となることはありません。互いに個でありつつ、差異でありつつ、自由な関係を保つのです。差異の共存・共立・共生と言えるでしょう。

その3
今日は、メディア界についてご説明しましょう。まず、確認しますと、イデア界に不連続な差異、不連続的差異が複数(多数、あるいは無数)存しています。そして、この差異が、ある状況で、集結して、連結化します。この差異が連結した領域をメディア界と呼んでいます。すなわち、ここでは、矛盾したことが生じています。不連続な差異が、連続化するのです。これは、確かに、論理的な矛盾です。しかし、これは、確かに生起することなのです。ここは、数学に関係する事柄になりますが、簡単に説明しましょう。たとえば、串だんごを考えてください。おだんごは、いくつかあります。それらは、本来は、不連続ですが、串によって貫かれて、連続化しているのです。ちょうど、このようなものがメディア界と考えていただければよいと思います。この連続化によって、現象、物質の根源が創られると考えられます。次のように考えてみてください。一本の串だんごから、物理学でいう素粒子が形成されると考えみてください。そして、いくつもの串だんごが連結、集結して、原子や電子が生まれ、そして、それらがさらに連結して、分子や目に見える現象を形成していると考えてください。
 ということで、メディア界とは、イデア界の不連続的差異が連結・集結して、連続化する領域であり、そこから、現象(いわば、現実)が創られる中間領域であると考えることができます。後ほど、もう少し詳しくご説明したいと思います。

その4
前の回では、メディア界とは、串だんごのようだと言いましたが、それは、わかりやすくするための比喩です。しかし、ほんとうは、もう少し複雑なのです。正確に言えば、串はないのです。串があるようにみえるのです。つまり、串だんごがあるように見えるのです。だから、メディア界は差異の連続化というよりは、連結化と言った方が的確だと思います。とりあえず、仮想的な、バーチャルな串や串だんごを考えていただければいいと思います。ルイス・キャロルの世界を想起していただければいいと思います。チェッシャー猫の笑いのようなもので、猫の形が消えても、笑いが残っているようなそういう世界です。
 簡単にまとめますと、メディア界とは、イデア界の不連続な差異が連結して、仮想の連続化の事態が生起する領域と考えることができます。そして、この仮想的連続化の事象は、様々な見え方をします。ピカソキュービズム時代の絵を想起していただければいいと思いますが、いろいろな角度からの視点が同時成立するのです。だから、メディア界とは、キュービズム的と言ってもいいと思います。
 さて、ここで、この多様な視点について簡単に説明してみたいと思います。これは、時間、空間に関わることです。差異の連結によって、力ないしエネルギーが生じます。そして、これが、光であり、時間であります。(アインシュタイン相対性理論を想起していただければとよいと思います。)光・時間によって、同時に空間が発生します。つまり、時空間の相対性がここに生起します。この相対的時空間が、多様な視点が成立するゆえんだと思います。もう少し丁寧に言いますと、メディア界において、差異と差異との間に極性をもった力、+との力が発生します。この力は、特定な力ではなく、言わば、未決定な力であり、喩えて言えば、プラス100ボルトとマイナス100ボルト、プラス100万ボルトとマイナス100万ボルト等が拮抗・均衡するような具合です。だから、相対的な多様な力がそこには生起しています。この相対的多様な力が、多様な視点を形成するのだと思います。
 少し難しくなってしまいましたので、後ほど、もっと平明にご説明したいと思います。

その5
ここで、わかりやすくするために簡単に図示してみたいと思います。

 [イデア界]

d1/d2/d3/・・・/dn

(なお、dは差異で、/は境界です。)


 [メディア界]

d1ーd2ーd3ー・・・ーdn

(なお、ーは、連結の記号とします。ここは、串だんごと言った状態です。)

そして、これは、作用であり、反作用として、

d1/d2/d3/・・・/dn

へと戻ります。つまり、イデア界へと回帰します。
これを順列化作用、脱順列化反作用ととりあえず呼びたいと思います。この運動は、イデア界とメディア界に関係することです。しかし、メディア界においては、極性が生じることをみました。それは、

d1±d2±d3±・・・±dn(メディア界)

と表記できます。(思うに、実際は次のよう円環
になっているのかもしれません。
±d1±d2±d3±・・・±dn±d1±d2・・・)

メディア界の極性力は、牽引力となり、連続化を形成します。そして、このバランスが現象界となると考えられます。

d1+ーd2+ーd3+ー・・・+ーdn

d1ー+d2ー+d3ー+・・・ー+dn

これが現象界となりますが、しかし、+ー、ー+は、いわば、ゆらいでいますから、それぞれ、2通りありますから、全体で、4通りになります。
これが現象界の四元性です。たとえば、東西南北、四つの血液型、四大(地水火風)、十字架等です。もう少し丁寧に図示しますと、

[現象界]

1.d1+ーd2+ーd3+ー・・・+ーdn
2.d1*d2*d3*・・・*dn

3.d1ー+d2ー+d3ー+・・・ー+dn
4.d1*d2*d3*・・・*dn

(なお、*はゆらぎを表すことにします。)

2と4は、同形となっていますが、2は1から生じる形であり、4は3から生じる形ですから、違いがあります。今はこれくらいにします。

その6
前回の事柄を補足しますと、現象界は、次のようにも表記できます。

Ⅰ)+d1ー+d2ー+・・・ー+dnー

Ⅱ)ーd1+ーd3+ー・・・+ーdn+


これは、磁石と見ることができます。もっとも力の原型と考えることもできるでしょう。+ーないしー+に、現代物理学の四つの力(強い力、弱い力、電磁気力、重力)と見ることができます。また、それら以外の力を考えることができます。それは、ゆらぐ全体の力、すなわちメディア界の力、原力(エネルゲイア)です。
 とまれ、ここでは、現象界の四元性の物理学に簡単にざっと触れました。後で、もっと詳しくみたいと思います。

その7
前回の現象界の図式ですが、現象界の四つの力の図式と見ています。おそらく、強い力と弱い力、電磁気力と重力がペアになるのではないかと思われます。+ーが強い力で、*(ゆらぎ)が弱い力で、同様に、たとえば、ー+が電磁気力で、*(ゆらぎ)が重力ではないかと思われます。今日、標準理論が破綻していると考えられていますが、統一理論は、メディア界の差異の連結の記述からもたらされるでしょうし、それは、根本的には、イデア界による順列化/脱順列化の力によって記述されるでしょう。この点は、難しいので、機会を改めて論じたいと思います。次回からは、もっとわかりやすい事柄を述べる予定です。

その8
ここで、簡単に、これまでのことを簡単に整理したいと思います。簡単な確認です。

 [イデア界}

d1/d2/d3/・・・/dn


[メディア界]

d1ーd2ーd3ー・・・ーdn

(d1±d2±d3±・・・±dn)


[現象界]

d1+ーd2+ーd3+ー・・・+ーdn
d1ー+d2ー+d3ー+・・・ー+dn
d1*d2*d3*・・・*dn
d1#d2#d3#・・・#dn

(なお、*と#はゆらぎを表す)

以上が、不連続的差異論の三層構成です。