検討問題:シェリング哲学の三一構造(三項共一構造)とヘーゲル弁証

検討問題:シェリング哲学の三一構造(三項共一構造)とヘーゲル弁証法


テーマ:メディア・ポイントMedia Point


シェリングの『哲学的経験論の叙述』を読み続けているが、残り10ページ程度であるが、三項論が出てきて、ヘーゲル弁証法を想起する。

ここでは、簡単に直観を、PS理論から言うと、シェリングの三項論は、

1)現象メディア・ポイント(限定されないもの)i*(-i)⇒
(p.s. 大雑把に、即非性と言ってもいいだろう。)

2)連続的同一性志向ないし同一性i*-(-i)⇒-1

3)差異的同一性の志向i*(-i)⇒+1

に、ざっとだがなるように思える。(p.s. 2から3へと進展・展開できるのは、2において、1の即非性が生きているからである。ヘーゲルの場合、1に連続的志向性=構造性があるので、超越的差異・超越的即非性に結びつかないのである。)


それに対して、ヘーゲル弁証法とは、

1)メディア・ポイントにおける連続的志向性i*-(-i)⇒:このメディア・ポイントは、超越メディア・ポイントであり、且つ、現象メディア・ポイントである。即ち、ヘーゲルの定立において、メディア・ポイントの即非性が消えて、連続化しているのである。超越性と現象性との同一性(即一性)があるのである。だから、ヘーゲルにおけるメディア・ポイントを同一性メディア・ポイントないし即一的メディア・ポイントと呼びたい。あるいは、構造と言ってもいいだろう。構造的メディア・ポイントである。

2)連続的同一性⇒-1

3)連続的同一性=同一性メディア・ポイント(構造的メディア・ポイント)

ではないだろうか。

整理すると、ヘーゲル弁証法は、

1)同一性メディア・ポイント(構造的メディア・ポイント)における連続的志向性

2)連続的同一性⇒-1

3)連続的同一性=同一性メディア・ポイント(構造的メディア・ポイント)

となる。

ヘーゲル弁証法は、カント哲学の行った超越性と現象性との脱構造的切断を無視して、創造された、構造的同一性理論と言えよう。