ヘンリー・パーセル

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮によるパーセルの音楽を聴いているが、やはり、ピントこない。
 『女王メアリーの葬儀ための音楽』を聴いているが、これは、感銘のある美しい曲だ。すこし、催眠的なところもある。
 時代が、名誉革命の時代であり、王政復古の時代であり、オーガスタン期であり、理性主義が幅を利かせた時代である。ピューリタン革命以前、英国にあった深い情念は消えている時代であり、新古典主義の時代である。
 確かに、落ち着いた音楽ではあるが、身体性が足りないと思うのである。そう、一般にイギリスに感じる血の気の薄さを想起させるのである。
 ビートルズ等の英国の音楽は、それらとはまったく異質である。やはり、一種の階級制度の影響があるだろう。イギリスでは、同一性へと傾斜する支配層と差異へと傾斜する下層があるように思う。前者は、文化的には、まったくつまらないものである。確かに、金融資本という同一性に関しては、強いかもしれないが、差異が必要な文化は劣弱化すると言えよう。
 私見では、イギリス文化の最良のものは、下層からのものである。それも、ケルト文化と無意識のうちに共振していると考えられるのである。ケルト文化とは、日本で言えば、縄文文化神道のようなものである。


p.s. 端的に、パーセルの曲はつまらないのである。