国家と国家の差異共振関係を目指して:PS理論的国際三相共振関係

国家と国家の差異共振関係を目指して:PS理論的国際三相共振関係


テーマ:トランス・モダン差異共振共同体圏


国家と国家との関係は、差異(同一性)と差異との関係と見ることができるだろう。これは、正に、プラトニック・シナジー理論(PS理論)が適用できる格好の問題となるだろう。
 結局、国家Aは同一性であるから、同一性の利益を主張する。それは、他者である国家(差異)Bに対して、自己同一性を押しつけることになるのである。当然、他者である国家Bは、自己の差異(同一性)が侵害されたとして、国家Aと対立・衝突することになるのである。最後は戦争が起こるのである。そして、勝敗が決して、敗北した国家は、勝利した国家の力の下に置かれると言えよう(参照:太平洋戦争)。
 国連とは、国家同士の対立に対する国際和解機関として生まれたと言えよう。しかしながら、イラク戦争の場合に見られるように、アメリカの武力攻撃に対して、無力であった。結局、超大国の権力が支配するのである。
 ここでPS理論を適用すると、差異と差異との同一性による対立を乗り越えるには、差異共振性が必要ということになる。国家Aと国家Bとの同一性対立の関係から差異共振関係へと転換させる方策が必要と言えよう。
 国家と国家との差異共振関係とはどういうものだろうか。当然ながら、国家のMedia Pointにおける共振(Media Resonance)が必要である。では、国家のMedia Pointとは何だろうか。それは、現象的には、国境であろう。端的に、国境がMedia Pointであり、これを共振化することである。ここは、国家Aでもあり、国家Bでもあり、また、両方の国家でもないのである。
 思うに、国境差異共振共同体がここに生起しうる可能性・潜在性(デュナミス)があるのである。つまり、国際国境共同体である。日本海で言えば、 Kaisetsu氏が述べていたこと(扶余海?の提唱)を敷衍すれば、それは、例えば、東亜地中海とでも呼べばいいだろう。だから、東亜共同体が、国家以外に発生しうるだろう。思うに、ここでも、三相共振様態となるだろう。後で補足したい。


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96年台湾海峡危機では、中国側の渡洋能力、航空能力が共にまだ十分ではありませんでした。つまり、アメリカ側の制海、制空能力が圧倒的に勝っていたわけです。表現を変えれば、アメリカの中国に対する抑止がよく効いていた。中国側にそれ以上の軍事行動を思いとどまらせる抑止力が機能していたということなのです。実際に中国側は、予定していた上陸演習すら名目的なものにとどめて手仕舞いにしたのでした。

あの危機から10年あまり。中国の人民解放軍は、矛を収めた無念をかみ締めながら、剣を研ぎ続けたのです。中国経済の躍進を背景に、中国人民解放軍がどれほどの近代化を遂げたのかは指摘するまでもないでしょう。

その一方、ブッシュ大統領アメリカは、イラク戦争でつまずき、東アジアでのプレゼンスを大きく低下させています。台湾海峡を挟んで米中の力が接近してきている。アメリカの対中抑止にかげりが見え始めている。武力衝突の危険水位が知らず知らずのうちに上がってきているのです。

心ある世界の戦略家たちが、朝鮮半島よりむしろ台湾海峡の動向に神経質になっているのはこのためです。2007年、東アジアの安全保障は、台湾海峡から目を離してはなりません。
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20071201

式日記と経済展望