二人のイエス:太母の子と父の子:ユダヤ・キリスト教の消滅と異教的

二人のイエス:太母の子と父の子:ユダヤキリスト教の消滅と異教的キリスト教の誕生
テーマ:ポスト・ユダヤキリスト教西洋文明


先に、イエス・キリスト問題について試論したが、やや錯綜しているので、ここで、簡単に整理したい。
http://ameblo.jp/renshi/entry-10061806447.html
 私の仮説は、二人のイエスである。(もっとも、一人のイエスに、二重性を見ることも可能であり、この可能性も、できれば、後で検討したい。)一人は太母の子であり、他の一人は父の子である。
 先の試論で、やや混乱した感があるのは、父の子の問題である。ゾロアスター教に関連して、父が母であると言ったので混乱した感がある。ここで概念を明快にしたい。
 父をユダヤキリスト教的な唯一神として定義する。だから、太母や太母の子には、当てはまらない用語とする。これが普通の意味であり、問題はない。
 では、私が先に言ったゾロアスター教の問題はどうなるのだろうか。これも問題はないだろう。アフラ・マズダを太母とすればいいのである。ここには、父はない。
 そして、ヨハネの黙示録のことであるが、これは、太母宇宙やゾロアスター教的宇宙を、ユダヤキリスト教的父と父の子の視点から、一種改竄したものと思われるのである。改竄という言葉は語弊があるので、適切な表現が必要であるが、要するに、太母コスモスを父と父の子の同一性主義・二元論・二項対立の視点から変質させた、書き換えたものであるということである。先にも述べたが、この変質・書き換えを、透視して、基層の太母コスモスを発掘したのが、D.H.ロレンスの『黙示録論』である。
http://www.amazon.co.jp/%E9%BB%99%E7%A4%BA%E9%8C%B2%E8%AB%96-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E5%AD%A6%E8%8A%B8%E6%96%87%E5%BA%AB-D%E3%83%BBH-%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9/dp/4480088873/ref=pd_bbs_sr_1?ie=UTF8&s=books&qid=1198482387&sr=8-1
 結局、二人のイエスがいたが、父の子が太母の子より優位となり、太母の子を否定・排除・隠蔽・隠匿する様態で、キリスト教が生まれたと考えられるのである。つまり、同一性中心主義(デリダのロゴス中心主義)のキリスト教の誕生であり、西洋文明の知的土台を創ったと考えられるのである。(古代ギリシア文化は、いわば、利用されているのである。もっとも、古代ギリシア文化にも父権主義=同一性主義はあったが。しかし、古代ギリシア文化の土台は東洋文化・太母文化である。その土台を露に抉り出したのが、ニーチェの『悲劇の誕生』である。ディオニュソスを基底に見たのである。ディオニュソスとは、太母の子である。だから、太母の子のイエスの原型である。)
 そして、今日、父や父の子の同一性中心主義のエネルギーが衰退して、新たに、差異のエネルギーが賦活されて、太母の子のイエスが復活するエポックになったと考えられるのである。即ち、ユダヤキリスト教の消滅であり、異教的キリスト教の誕生である。(これは、当然、新神道、新仏教、新イスラム教、新ヒンドゥー教、新道教、等々を意味するだろう。つまり、宗教ルネサンスである。宇宙宗教ルネサンスである。あるいは、宇宙差異共振宗教の誕生である。)これで、イエス・キリスト問題を解明したこととしよう。
 さて、以上の拙稿を書いている途中で、浮かんだことであるが、即ち、ケルト文化とキリスト教の関係のことであるが、ここにはヨーロッパ大陸にはない、不思議な事態が生じたのである。つまり、大陸では、キリスト教は異教を抹殺していったが、ブリテン諸島においては、とりわけ、アイルランドでは、ケルト文化とキリスト教が融合したのである。この経緯に関しては長くなるので、ここでは触れないが、
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%88%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E3%81%A8%E4%B8%AD%E4%B8%96%E9%A8%8E%E5%A3%AB%E7%89%A9%E8%AA%9E%E2%80%95%E3%80%8C%E4%BB%96%E7%95%8C%E3%80%8D%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%97%85%E3%81%A8%E5%86%92%E9%99%BA-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E4%BB%81%E5%BD%A6/dp/4121012542/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=books&qid=1198483909&sr=8-4
異教コスモスの視点から見ると、この融合はなんら不思議ではなく、当然の事態であると言えよう。即ち、ケルト文化の異教コスモス(ケルト文化は女神文化、すなわち、太母文化の現存する数少ない一つである。先にも触れたが神道と共通するのである。)において、イエスは、太母の子として受け入れられたと考えられるのである。つまり、正に、太母的キリスト教、異教的キリスト教として存したと考えられるのである。
 ついでに言えば、ウィリアム・ブレイクであるが、やはり、ケルト文化と関係すると直感できるのである。彼は、父をNobodady(誰でもないお父ちゃん)と揶揄しているのであり、イエスを肯定して、彼の独特の霊的宇宙に組み込んでいるのである。これは、正に、ケルトキリスト教と同じあり方であろう。(ブレイクの家系を後で調べたい。p.s. 家系がよくわからない。国教反対者Dissenterであるのはわかるが。思うに、ブレイクは、ケルト的というよりは、グノーシス的な面が強いだろう。自然を否定的に見て、霊性を重視しているのであるから。)思えば、ブレイクには、All Religions are One.(すべての宗教は一つである)という箴言集がある。つまり、万教帰一の思想である。これは、Cosmic Media Point、宇宙的差異共振性を考えると、明快である。ここでも、ブレイクの異教・太母的宗教性を確認できるだろう。
 最後に一言いうと、ユダヤキリスト教を除いて、万教復活のエポック、宇宙宗教の復活の新文明の玄関口に地球人類は立っていると言えよう。


序奏部分の音楽(MP3方式)

(序) バリトン独唱によるレチタティーヴォ(MP3方式)

(Bariton solo)
O Freunde, nicht diese Töne !
sondern laßt uns angenehmere anstimmen, und freudenvollere. (バリトン独唱(レチタティーヴォ))
おお、友よ! このような調べではない!
そんな調べより、もっと心地よく歌い始めよう、喜びに満ちて。

1.主題提示部の音楽(MP3方式)
(Bariton solo)
Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elysium,
Wir betreten feuertrunken, Himmlische, dein Heiligtum!

*Deine Zauber binden wieder, was die Mode streng geteilt;
alle Menshen werden Brüder, wo dein sanfter Flügel weilt.*

(Chorus)
*−* repeat (バリトン独唱)
歓喜よ、美しき神々の煌めきよ、
エリジウム(楽土)から来た娘 よ、
我等は炎のような情熱に酔って
天空の彼方、貴方の聖地に踏み入る!

*貴方の御力により、時の流れで容赦なく分け隔たれたものは、再び一つとなる。
全ての人々は貴方の柔らかな翼のもとで兄弟になる。*

(合唱)
*−*間の繰り返し

2.主題変奏部(その1)の音楽(MP3方式)
(Quartet)
Wem grosse Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!

*Ja, wer auch nur eine Seele sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wers nie gekonnt, der stehle weinend sich aus diesem Bund. *

(Chorus)
*−* repeat (四重唱)
一人の友人を得るという
大きな賭けに成功した者よ、
一人の優しい妻を努めて得た者よ、
その歓びの声を一つに混ぜよ!

*そう、この地球上でただ1人の(一つの心と呼ばれる)者も!
そして、それが出来なかった者は、この集まりから涙を流してひっそりと去る。*

(合唱)
*−*間の繰り返し

3.主題変奏部(その2)の音楽(MP3方式)
(Quartet)
Freude trinken alle Wesen
an den Brüsten der Natur,
alle Guten, alle Bösen folgen ihrer Rosenspur.

*Küsse gab sie uns und Reben,
einen Freund, geprüfut im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott! *

(Chorus)
*−* repeat (四重唱)
全ての生物は、
自然の乳房より歓喜を飲む。
そして、善きもの、悪しきものも全て薔薇〔ばら〕色の跡を付けていく。

歓喜は我等に口づけと葡萄〔ぶどう〕、
そして死の試練にある一人の友を与えた。
官能的な快楽は虫けらに与えられ、
そしてケルブ(智天使) は神の御前に立つ!*

(合唱)
*−*間の繰り返し

4.主題変奏部(トルコ行進曲風変奏)の音楽(MP3方式)
(Tenor solo)
Froh, wie seine Sonnen fliegen,
durch des Himmels prächt'gen Plan,

*laufet, Brüder, eure Bahn,
freudig, wie ein Held zum Sigen.*

(Tenor&Bass Chorus)
*−* repeat (テノール独唱)
喜ばしきかな、太陽が壮大なる天の計画に従って飛ぶが如く、

*兄弟達が己〔おの〕が道を駆け抜ける、勝利に向かう英雄のように喜ばしく。*

テノール&バス 合唱)
*−*間の繰り返し

5.管弦楽間奏部及び大合唱の音楽(MP3方式)

(この部分の歌詞は1.主題提示部の歌詞の復唱です。)

6.テンポの緩い荘厳な讃歌部分の音楽(MP3方式)
(Chorus)
Seid umschlungen, Millionen !
Diesen Kuß der ganzen Welt !
Brüder ! überm Sternenzelt
muß ein lieber Vater wohnen.
Ihr stürzt nieder, Millionen ?
Ahnest du den Schöpfer, Welt ?
Such ihn überm Sternenzelt !
Über Sternen muß er wohnen.
(合唱)
抱〔いだ〕かれよ、数多〔あまた〕の者よ!
この口づけを全世界へ!
兄弟達よ!星空の彼方に
愛する父(なる神)がおられるはずだ。
地にひれ伏さぬのか? 数多の者よ。
創造主(の存在)を感じるか? 世界よ。
星空の彼方に求めよ!
星々の彼方に彼の御方(神)がおられるはずだ。

この節以降、新たな歌詞は一切現れず、(音楽や調子は異なりますが)
1.主題提示部と6.荘厳讃歌部分の復唱となります。

7.合唱による二重フーガ部分の音楽(MP3方式)

(この部分の歌詞は6.荘厳讃歌及び1.主題提示部の歌詞の復唱です。)

8.四重唱と合唱による主題の断片的再現部分の音楽(MP3方式)

(この部分の歌詞は1.主題提示部の歌詞の復唱です。)

9.終結部の音楽(MP3方式)

(この部分の歌詞は6.荘厳讃歌及び1.主題提示部前半部の歌詞の復唱です。)


http://kcpo.jp/legacy/33rd/B-Sym9/Sym9-trans.html#head

ベートーヴェン 交響曲第9番