英語教育と英語学習の相違点をいわば哲学的に指摘されている明敏な考
英語教育と英語学習の相違点をいわば哲学的に指摘されている明敏な考察だと思う。
テーマ：教育革命・導育
英語教育と英語学習の相違点をいわば哲学的に指摘されている明敏な考察だと思う。即ち、前者は同一性であり、後者は差異であるということになろう。この指摘は重要である。英語教育とは押しつけであり、英語学習は自由度をもつ。思うに、日本人が英語ができない根因の一つはこのような認識に存しているのではないだろうか。
以下転載させていただきます。
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英語教育＝英語学習 、なのか？CommentsAdd Star
ウィキペディアの「英語教育」 の記事を読んでいて引っかかった記述が合ったのでメモしておく。
英語教育とは教授者視点の呼称であり、学習者視点から見れば英語学習ということになる。この2語は視点の違いによるものであり、指している現象自体は、事実上同一のものである。
記述はいたってシンプルで、「英語教育と英語学習は同義語であって、それは教師目線か生徒目線かという違いでしかない」ということだ。
私は、日本語だと「英語教育」と「英語学習」はかなり意識的に使い分けていて（英語だとlearning, teaching, education, pedagogy etc は結構ゆるく使ってしまうのだが）、両者の性格も大きく異なると思っていたので、この記述には少しびっくりした。
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「英語」という修飾語 を取り去って考えてみよう。「教育」 と「学習」の違いは、視点が異なることだけなのだろうか。結論的に言えば、そんなはずはない。
goo辞書 （大辞林 ）を確認してみる
教育 きょういく（名詞）
他人に対して、意図的な働きかけを行うことによって、その人間を望ましい方向へ変化させること。広義には、人間形成に作用するすべての精神的影響をいう。その活動が行われる場により、家庭教育 ・学校教育 ・社会教育に大別される。
学習 がくしゅう（名詞）
(1)まなびおさめること。勉強すること。「新しい教科を―する」
(2)〔生〕 生後の反復した経験によって、個々の個体の行動に環境に対して適応した変化が現れる過程。ヒトでは社会的生活に関与するほとんどすべての行動がこれによって習得される。
(3)〔心〕 過去の経験によって行動の仕方がある程度永続的に変容すること。新しい習慣が形成されること。
(4)〔教〕 新しい知識の獲得、感情の深化、よき習慣の形成などの目標に向かって努力を伴って展開される意識的行動。
「学習」(learning)は、心理学 （特に発達心理学）の最重要キーワード のひとつであり、辞書にもその心理学的なニュアンスが反映されているようだ。つまり、ある独立した個人を仮定し、その個人の内部でどのような内的変容が起っているか、が「学習」の問題となる。（余談ながら、同じlearningでも「学び」となると、そのような「個人主義 的」なニュアンスは薄められ、むしろ複数の個人間の関係性の中で生起する様々な（進歩的な）変容過程が強調される。訓読みになると、どうしてニュアンスが変わるのかは謎だ）
一方、「教育」には、「学習」に見られるような強烈な「独立した個人」という仮定が弱い。それは当然と言えば当然で、「教育現象」というのは複数の主体（通常は、複数の人間）が存在しないと生じないからだ。先生なりチューターなり先輩なり上司なり師匠 なりがいて、その一方で生徒なり後輩なり部下なり弟子なりがいて初めて「教育」は成立する。（逆に、「学習」は個人だけで成立する。若干循環論法 的な気もしなくはないが（笑）。つまり、学習は「教育現象」としてだけではなく、「心理現象」としても生じ得る）。
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なぜこんなことをいちいち書いたのかというと、「英語教育」界において、いや「応用言 語学 」界においてすら、「教育」と「学習」が同義だと捉えられがちなのではないか、と日々思っているからだ。
日本に「英語教育」を冠する学会 は数多くあるが、その学会大会の発表の少なくない数が実は「英語学習」に過ぎない。その一方で例えば「日本英語学習学会」のように「学習」を前提とした学会組織はない。
学習と教育の混同。これは「英語教育」界、「応用言語学」界に特有な現象なのだろうか。ほかの教育系の分野を見る限り、これほど適当な使い分けしかなされていないのは、この分野くらいな気はするのだがはてさて。
