財政学批判的学習:裁量支出とプログラム支出と天下り根絶:PS原理、

財政学批判的学習:裁量支出とプログラム支出と天下り根絶:PS原理、PSPrinciple


テーマ:福田政権とポスト福田


以下、鋭敏な経済学者植草一秀氏のトランス官僚主義のための「教科書」である。財政について実に明快に説明しているし、天下り根絶の意味も明快に説明されている。官僚封建的同一性主義への脱構築主義であると同時に、国民経済再構築主義(差異共鳴国民経済)のための指針が説かれている。
 そう、PSセオリー的政治経済学である。


p.s. 思うに、PSセオリーとはPS原理、PSPrinciple(PSP)と言えるのではないだろうか。多様な現象の原型を取りだしているのではないだろうか。端的に言えば、Media Point ArchitypeないしはMedia Point Prototypeではないだろうか。即ち、Media Pointから生まれる同一性現象と差異現象の関係を捉えているのではないだろうか。つまり、図式化すれば、


1.差異共鳴現象の発現
2.同一性主義現象の発現
3.同一性現象と差異共鳴現象との併存(後者が新たに賦活される)
4.高次の差異共鳴現象(1とは同類の現象であるが、レベルが上がった状態。いわば、ラセン的回帰である。)


このように変化する動きがPS原理ではないだろうか。中心核は、Media Pointである。後で検討。

p.p.s. Kaisetsu氏の用語を用いれば、Media Point Mode(MPM)が、このMedia Point Architype ないしはMedia Point Prototypeではないだろうか。
 とまれ、Media Pointを入れて、再図式化すれば、


Media Point Mode


1.Media Point Energy:(+i)*(-i)
2.差異共鳴現象(差異共振現象):⇒+1
3.同一性主義現象:(+i)*〔-(-i)〕⇒-1
4.同一性主義現象と差異共鳴現象の併存:(-1)&(+1)
5.同一性主義現象を包摂した高次の差異共鳴現象:(+i)*(-i)⇒+1
6.New Media Point Energy:(+j)*(-j)


と仮に表記しておこう。
 これは、実は、神話や物語の図式にもなるのである。そう、オールマイティである。


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福田新体制は「アンシャン・レジーム」である。「霞が関政治」に復古した。旧来の自民党政治への回帰だ。「福田−伊吹−与謝野」のトライアングルが「財務省政治」を取り仕切る。

財務省政治」の基本方針は上述したように、?官僚利権の温存、?国民福祉の切り捨て、?消費税増税の断行、である。

財務省の歳出削減政策と「無駄ゼロ政策」 は表裏一体の関係にある。財務省の歳出削減対象の「御三家」は、?公共事業、?地方、?社会保障費、である。国民生活に直結する費目が優先して切り込まれる。

他方、財務省の裁量支出は拡張される。「裁量支出」こそ「財務省権力の源泉」なのだ。道路特定財源の「一般財源化」、概算要求基準における「重点枠」は「財務省の自由裁量枠」である。財務省は「予算配分権」こそ「権力の源泉」と認識し、「自由裁量枠」拡張を熱望している。

社会保障支出」は「プログラム支出」 とも呼ばれる。制度を確定すると支出金額が自動的に決定される。最も透明性の高い支出だが、財務省は「プログラム支出」を嫌う。「プログラム支出」には「予算を配分する権力」をふりかざす余地がないからだ。

歳出削減で真っ先に切り込まれるのが「プログラム支出」だ。国民からすれば、利権の温床になる「裁量支出」を切り込み、「プログラム支出」を温存してもらいたいのだが、財務省は正反対の方向を向いている。なぜなら、財務省は国民の幸福ではなく財務省の幸福のために行動しているからだ。

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日本の国会財政は天下り機関に11兆円を超す資金を投入している。「天下り」と「天下り機関」の根絶は想像を超す歳出削減効果を生む。

福田政権は「財源論を伴わない社会保障制度再構築論議」は無責任だと民主党を批判するが、

天下り根絶を伴わない消費税増税論議」の方がはるかに国民に対して無責任である。

 「天下り根絶」によって、大きな財源を生み出すことが可能だ。また、対米隷属の外貨準備運用が8年間で100兆円の機会損失を生み出した。「100兆円損失」の責任も追及しなければならない。

 福田政権は衆議院選挙対策として745億円原油高対策を決定したが、「裁量支出」=「利権支出」=「バラマキ支出」政策の典型だ。最も優れた原油高対策は「ガソリン税暫定税率撤廃」である。

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_fef1.html


植草一秀の『知られざる真実』