イラク戦争とは何か:父権的同一性主義帝国暴力とトランス・モダン・

イラク戦争とは何か:父権的同一性主義帝国暴力とトランス・モダン・エヴォリューション


テーマ:戦争責任・従軍慰安婦靖国問題


イラク戦争、アフガン戦争とは何か。私は戦争は本当にくだらないと思っているが、哲学的に簡単に戦争を考察しよう。
 端的に言って、父権文明が国家対国家の戦争をもたらしたのである。そう、父権文明が国家を形成したのである。それは、ヘーゲル哲学に結晶している。
 そう、文明civilizationという言葉は問題がある。それは、本来は、ローマ市民化することを意味したのであり、ギリシア市民化することではないのである。つまり、帝国市民化することなのであり、都市国家(ポリス)市民化することではないのである。
 ローマ帝国は当然ながら、中央集権的であり、ギリシア都市国家は多元的であった。父権文明、そして、キリスト教が大きな意味をもつ。
 確かに、古代ギリシアにおいても、戦争はあった。古代ギリシアも父権的な要素が強かったのであるが、ローマ帝国ほどの中央集権制はもたなかった。
 とまれ、簡単にいうと、父権主義とは、暴力・略奪主義なのである。端的に、野蛮である。それを国家が理屈で正当化するのである。(因みに、ホッブズの万人の万人に対する戦争観は、ハイパー父権主義と言えよう。)
 文明とは、そのように父権暴力を含むものなのであり、戦争がつきものなのである。哲学的には、同一性主義である。狂気である。宗教的にはヤハウェ一神教である。(ここで要注意なのは、ヤハウェ一神教アッラー一神教は異質なものであることである。この点は、既述したが、簡単に言うと、前者は差異を否定する同一性主義そのものであり、後者は差異を肯定する一元論である。)
 イラク戦争について言えば、ネオコン的同一性主義金融資本主義に拠るものであったと言えよう。
 そして、今日、ヤハウェ的同一性主義金融資本主義が、世界史的に、瓦解したので、イラク戦争の意味が問われるのである。それは、端的に、ヤハウェ的同一性主義金融資本主義暴力・略奪・狂気なのである。
 そして、トランス・モダン的進化的転換期にあって、イラク戦争が悪魔の戦争であったことがわかるだろう。同一性主義すべてのものが崩壊し、批判・糾弾・弾劾の対象となるのである。
 これから、アメリカは反ブッシュ/反ネオコン主義となるだろう。そして、同一性主義的金融資本は、徹底的に解体して、差異共振資本が形成されるだろう。
 トランス・イラク戦争の時代である。
 

IVAW事務局長ケリー・ドーアティーは、イラクにおける米兵の行いの責任は米
国政府の政策にあると言う。「占領下のイラクアフガニスタンでおかされる
数々の悪行は、軍の『一部の腐敗分子』のせいなどではなく、米国政権の最上
層部で綿密に練り上げられた政府の中東政策の結果なのです」と、彼女は語る。

そのことを理解したからといって、証言で明らかになった情緒的倫理的な荒廃
のひどさが薄らぐものではない。

「白旗を掲げたやつが、ただゆっくりと近づいてきて命令に従ったら、それは
トリックだと思え、殺すんだ」とは、ファルージャに侵攻する前に所属大隊の
法務士官から受けた命令だと、マイケル・ルダックは証言した。ルダックは海
兵隊伍長であり、2004年の米軍によるファルージャ侵攻に参戦した。

この本は、特に合州国の一般の人々にとって価値がある。なぜなら、この「冬
の兵士」証言は、ワシントンポストが首都圏ニュース欄に埋め込んだ小さな記
事を除けば大手メディアが一切報道しなかったからだ。
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/816

10月16日 速報785号 「冬の兵士」証言集、米国で出版 - tup_bulletin
ダール・ジャマイルが解説する『冬の兵士証言集──イラクアフガニスタン