黄金比と不連続的差異論:素描1

今、先にあげた本を読んでいるが、とてもアイデアをかき立てる本である。読み終わった後で、アイデアを述べたいが、ここでは、予見を言っておきたい。
 不連続的差異論では、ODA ウォッチャーズ氏が述べるように、1/4回転するときに、垂直方向に捩れが発生することが、根本的な原則の一つである。(参照:http://blog.discontinuousdifference.org/?eid=48775
)この捩れが、ラセンを生むのであるが、この捩れの法則・原理が、黄金比やフィボナッチ数ではないだろうか。
 思うに、この捩れは、メディア界から現象界への展開・転化において、生じるものだろう。即ち、差異・ゼロ度から、差異・無への展開においてである。問題は、ゼロ度において、この法則が生起することである。換言すると、メディア界の発生において、生起するのではないだろうか。イデア界からメディア界への転化において、この法則が生起するのではないだろうか。

イデア界=差異1/差異2/・・・/差異n
メディア界=差異1φ差異2φ・・・φ差異n

と私は表記し、φ(フィー)をゼロ度の意味で使用したが、黄金比の記号は、φ(ファイ)であるから、たまたま、一致することになる。しかしながら、ゼロとしてのφと黄金比のφとは関係しなくてはならない。
 しかしながら、ここで、黄金比やそれに関連するフィボナッチ数に当てはまるように考えるよりは、不連続的差異論の視点から見た方がよいだろう。即ち、垂直に捩れるという視点から見ていこう。ここから、単純にらせん形態が発生するのがわかる。そして、それは、+xと−xがあるから、二重らせんとなると考えられる。問題は、このらせん形態の力学である。
 さて、ここで、大胆に作業仮説したい。物理学の4つの力を、先に見たように、差異の水平の排斥/牽引力と垂直の排斥/牽引力に対応するものとしよう。そして、これらを、5つのプラトン立体(正多面体)の中の4つに対応するものとしよう。(さらに言えば、5つ目の正12面体は、ダークエネルギーに対応するものとしよう。p.s.  『ティマイオス』では、「地」は立方体、「水」は正二十面体、「火」は正四面体、「風・空気」は正八面体である。ここで、4つ力と対応させると、弱い力=「風・空気」は正八面体で、強い力=「水」=正二十面体、、重力=「地」=立方体、光=「火」=正四面体となる。思うに、1/4回転において、4つの要素が、それぞれ、強化されると考えたらどうだろうか。たとえば、弱い力が、主導的だと、「風・空気」=正八面体の捩れ、等々となるのだろうか。もっとも、正八面体の捩れとは何かということにもなろう。複雑になるので、プラトン立体を外して考えると、4つの捩れがあるということになる。これらを、30度、60度、90度、120度としたらどうだろうか。そして、72度の場合は、総体としての正五角形、五芒星形である。とまれ、こうすると、らせんに、角度がつくだろう。そして、正十二角形、正六角形、正方形、正三角形、そして、正五角形ができるだろう。つまり、正多角形的な螺旋である。こう見れば、捩れ・螺旋による黄金比の発生を説明できるだろう。とまれ、4つの力の傾きを考えるのである。)なぜ、対応するのかは、ここでは、問わないでおこう。とまれ、この仮説から、発生するラセンは、黄金比をもつことが考えられる。なぜならば、正多面体は、黄金比を含むものだからである。これで、問題には答えたことになる。
 では、4つの力(又は、差異の4つの力)とプラトン立体がなぜ対応するのかということに答えなくてはならない。ここでも、作業仮説するしかないが、根源の不連続的差異が、プラトン立体に関係するなんらかの構造をもっていると考えたい。即ち、正三角形、正方形、正五角形等である。さらに、作業仮説であるが、捩れるとき、y軸に対して、90度捩れる場合、120度捩れる場合、72度捩れる場合等があるのではないだろうか。ここに、60度の場合を加えれば、4つの場合が生じる。即ち、60°、72°、90°、120°である。それぞれ、正六角形、正五角形、正方形、正三角形が生じる。(少し、プラトン立体から外れるが、検討を続けよう。)このように、垂直方向への4つの捩れ方を想定することができる。この4種類の捩れが、メディア・現象界ないしメディア・現象境界の基本的形相・構造となるのではないだろうか。そう考えると、黄金比の現象の解明となるだろうし、また、現象の多種多様な形態の説明もできるのではないだろうか。雪の結晶、花弁の数、葉の形、人体の形態、等々の森羅万象の形である。星が球形になるのは、そこには、4つの力、さらに、5つの力がそこにはたらいて、いるからではないだろうか。即ち、平面的点から、立体的点へと転化し、それが、核心となって、球体となるのではないだろうか。

p.s. 4つの角度の捩れを述べたが、少し曖昧である。私が考えたのは、y軸とz軸の平面における捩れである。つまり、yーzの平面での回転を考えたのである。しかし、それよりは、x−y−z3次元での、捩れを素直に考えた方がいいのではないか。ならば、角度はどうなるのか。後で、本件を再検討したい。難問である。