英文法5文型を、再構築する試み:2:preS→preO:前主体語・志向語
英文法5文型を、再構築する試み:2:preS→preO:前主体語・志向語・前客体語
先に、5文型の構成要素名称等の変更を試みた、結局、中途半端なままだったので、ここで、もう一度検討したい。
イメージや直観では、簡単に思えるのであるが、これを言語化しようとすると、思ったように行かないのである。言葉のあいまい性が、明晰明確な概念の形成を阻害しているのである。おそらく、数学的な記号の方が整理しやすいように思う。
さて、出発点にノエシス/ノエマの志向性を置こう。志向性をIとし、ノエシスをNs、ノエマとNmとする。
I=Ns→Nm
これが、根源文型、原文型、前文型である。チョムスキーの生成文法の文=NP名詞句^VP動詞句は、Ns→に相当するのではないだろうか。
とまれ、I=Ns→Nmが、主体語・志向語・客体語へと変換すると言えよう。しかし、問題は、Nmを客体語とするのは、飛躍があることである。Nmは、せいぜい、感覚や身体であり、客体物ではない。だから、原文型は、原主体→原客体である。これは、イデア界的原文型であろう。
これに対して、メディア界においては、主体と客体が発生するだろう。もっとも、主体は心身を通じて、客体・他者と共振接触している。ここは、量子・素粒子の世界であり、コスモスの世界である。(D.H.ロレンスが、イタリアの先住民のエトルリア人の壁画に感じた接触感は、これと通じるだろう。)換言すると、この領域は、主客合一の領域である。主体と客体が未分化とも言えるだろう。これは、主客合一的な日本語の母胎であると考えられる。だから、主体→客体というよりは、前主体→前客体である。
そして、メディア/現象境界から現象界において、主体→客体が明確化するだろう。
少しまとめると、
イデア界:I=Ns→Nm
メディア界:preS→preO
現象界:S→O
尚、preは前、Sは主体語、Oは客体語を意味する。
となる。メディア界は近代以前、現象界は近代主義と言えよう。そして、超越近代は、メディア界へのらせん的回帰であると考えられる。
さて、これで、文型の準備ができたので、ここから展開しよう。思うに、文型の原型は、preS→preOだろう。ここには、第1・第2・第3文型が内包されているだろう。そして、第4文型は、第3文型の発展として見ることができるだろうし、第5文型は、第2文型と第4文型の結合と言えるのではないだろうか。
すると、英語5文型は、preS→preOに還元されるだろう。チョムスキーの名詞句^動詞句という文の基盤であるが、それは、不十分だと思えるのである。
結局、
前主体語・志向語・前客体語
これが、統一文型である。これは、be動詞も、一般動詞も包括しているのである。