思考実験:次元と軸空間 1

この問題は、おそらく、最も難解なものだろう。だから、思考実験を、反復することになるのである。いろいろなアイデアが浮かんでくるので、それを、記していきたい。


1)共振軸・Y軸の問題であるが、現代の共振性が隠蔽された意識を考えると、マイナスY軸が、物質軸ではないかと思ったりする。つまり、F軸(第四軸)が、マイナスY軸ではないかと。そうすると、X軸→+Y軸(共振軸)→Z軸(連続軸)→F軸=−Y軸(物質軸)となるが。簡単に言うと、
XZ−Y三次元空間(四次元時空間)である。でも、これはおかしいだろう。


p.s. おかしいと述べたが、展開の可能性はないことはない。−Y軸の−方向を前方とし、Z軸を上下方向、X軸を左右方向と考えられないことはないだろう。ここで、ヌース理論を想起する。他者と背中合わせになっていると説いている。確かに、+Y軸方向を共振軸とすれば、振り向けば、他者との共振シナジー・コスモスの方向になるだろう。180度回転、1/2回転である。+Y軸が光の方向とすれば、−Y軸は、原光の方向である。黒い太陽の方向である。
 私は、上下と前後は交換可能であると言ったが、それを適用すれば、下方・−Z軸方向は、+Y軸と通じることになるだろう。つまり、共振軸とは、現象界において、下方・−Z軸方向にあるということになるだろう。つまり、人間個体で言えば、身体に共振軸があるということになろうし、空間で言えば、地、地球、大地の方向、鉛直線方向に、共振軸があることになるだろう。(このまま、発想を展開することにする。)
 ここで、ケルト神話の世界空間構造を想起する。ケルト神話では、他界・あの世(女人の島)は、海の彼方にあり、同時に、地下にあるのである。そう、ここで、また、ルイス・キャロルのアリスの物語を想起するのである。『不思議の国のアリスの冒険』は、ウサギの穴に落ちて、展開する地下の国の物語であるし、『鏡の国のアリス』は、鏡の向こう側の話である。鏡の方向を−Y軸とすれば、鏡の向こう側とは、+Y軸となろう。因みに、ルイス・キャロルには、ケルトの血が流れてないことはない。祖先は、北アイルランドの出身であったはずである。(ついでに言えば、イギリス文学ないし英文学と呼ばれているものは、私見では、ケルトブリテン文学と呼ぶべきだと思っている。一流の作家は、たいがい、ケルトの血が関係しているのである。)
 ということで、このアイデアは生かしておきたい。しかし、ヌース理論で言う、自己と他者との背中合わせという概念は、批判したい。両者には、差異があるのである。境界があると思うのである。単純に言えば、原点(0,0,0)が、境界になっていると考えられるのである。
 とまれ、結局、共振軸を発見するには、現象界的には、下方・−Z軸方向・身体・大地・鉛直線の方向に、視線・意識・知覚・認識・知性・思考を向けなくてはならない。東洋身体論の臍下丹田論は、その点、きわめて本質的なものであると言えよう。東方キリスト教で、臍を見る瞑想法(p.s.
ヘシュカスムである。
http://www.mesogeia.net/orthodox/hesychasm.html
)があったと思うが、それは、正しいだろう。そう、ヨガも基本的には正しいだろう。道教も正しいことになるだろう。知的に測深することで、共振軸を発見するのである。
 ヌース理論は、双対性という概念を説いているが、確かに、そのような感じがある。しかし、対極性ないし太極性という用語で、十分ではないだろうか。Y軸・虚軸の太極・対極・陰陽相補性があるのである。簡単に言えば、+Y軸が、差異共振軸で、−Y軸が同一性軸である。(Z軸を連続軸としよう。)
 整理すると、


X軸・実軸=不連続的差異軸・原軸・玄軸・イデア軸・・・左右方向


+Y軸・虚軸=差異共振シナジー軸(共振軸)・零度軸・メディア軸・・・後方


−Y軸・虚軸=同一性中心軸(言語形式軸)・物質軸・・・前方


Z軸・虚軸=連続軸・現象軸・・・上下方向


となる。但し、上下と前後は、入れ換え可能である。鏡を見るとは、極めて、象徴的な行為と言えよう。鏡がご神体というのもわかる。鏡は、共振軸・他者・差異を映す手段・道具である。文学で、鏡(リアリズム)とランプ(ロマン主義)が問題になったが、思うに、両者は、同一である。鏡は、ランプを映すのである。
 さらにつけ加えると、日本の荒唐無稽的悲劇の原因は、+Y軸のまったき喪失に拠ると言えよう。また、近代主義は、一般に共振軸の喪失であるが。


 身体大地に回帰せよ!
 身体地下に潜入せよ!
 身体共振軸へ向かえ!
 エデンの楽園・常世・女人の国はそこにある。
 楽園回帰!
 パラダイス回帰!
 浄土回帰!
 仏国土回帰!
 神の国は、地下身体にある!
 差異身体、差異共振身体への回帰!



参考:
「図説 ケルトの歴史」鶴岡 真弓,村松 一男 河出書房新社
keruto.jpgこれは私がいままで読んだ本の中で一番バランス良く、且つ網羅的に書かれたケルトの本でした。もっとも私の場合は、ケルト自体をメインにした本ってあまり読んだことがなく、他の本を読んでいてその解説の過程でケルト神話にも触れられているという場合がほとんどだったという理由もあるんですけどね。とにかくこの本を読んで表面的であるにせよ、ケルトの事(ケルトの魅力)が少し分かったような気がします。漠然と妖精とか聖杯、アーサー王ドルイド教などに関心がある方、まずはこの本を読む事をお薦めします。ケルト十字やケルズの書、ブランの航海とかの名称にピンと来た方にも読んでおいて無駄にならない本です。
http://library666.seesaa.net/article/11476090.html#trackback
叡智の禁書図書館


2)先に、イデア軸・メディア軸・現象軸・物質軸の四次元を考えた。X軸・Y軸・Z軸・F軸四次元空間である。


3)共振軸を排除・隠蔽している現代、この反動が、狂気となって、現代人を襲っていると言えるのではないだろうか。この点は、前に、何度も述べた。一種精神病である。近代主義狂気である。小泉首相が一つの典型であろう。
p.s. 共振軸を排除・隠蔽するとは、具体的にどういうことだろうか。後で、検討。

4)軸空間に、方向性を与えようとすると、わからなくなる。即ち、前後、左右、上下の方向性である。
 ここで、経験を言うと、夜、車で走行すると、前方が、下方のような感じがする。穴に落ちていくような感じである。これを基にすれば、上下と前後は、交換できるのである。左右は、また独特だと思う。
 とまれ、例えば、Z軸を上下方向と仮定すると、前後方向は、何軸なのか。また、左右方向は? 左右方向は、X軸か、Y軸だろう。とりあえず、X軸を左右方向としよう。Z軸が上下ならば、前後は、Y軸か、F軸である。しかし、上下と前後が交換できることを考えると、Y軸ではないだろう。F軸ではないだろうか。すると、


X軸:左右
Z軸:上下
F軸:前後
Y軸:?


Y軸は何になるのだろうか。これは、これまでの考えによれば、共振軸・コスモス軸・メディア軸である。これは、いわば、左右・上下・前後を融合している軸だろう。点、円、球面、等になったりするのではないだろうか。
 思うに、Y軸が、超越軸(正確に言えば、超越論軸)のように思える。Y軸が、X軸・Z軸・F軸と連関して、YX平面、YZ平面、YF平面において、円が形成されるのではないだろか。三つの円(三つ輪)である。そして、三つの円から、超球体ができるのではないだろうか。つまり、四次元球体である。言わば、無限時空体ではないだろうか。これは、イデア界よりも、「実体」的な、永遠回帰的無限時空体ではないだろうか。正に、無限速度で、原光が、発出されているのではないだろうか。三つ輪、三つ巴の無限空間だろうか? この点については、後で検討したい。
 Y軸の問題に戻ろう。差異共振シナジー軸ということで、X軸、Z軸、F軸を、超越的に統合する、いわば、超越的統合軸(超越論的統合軸)とも考えられよう。また、不可視軸・コスモス軸である。思うに、これが、宇宙・自然・地球・人間を動かす隠れた軸ではないだろうか。隠軸ないし陰軸である。あるいは、玄軸である。隠元軸とでも呼ぼう。アリストテレスが説いた原動天・至高天とは、ここにあるのではないだろうか。コスモスである。月と太陽が調和するコスモスは、ここにあるのではないだろうか。古代宇宙論とは、ここが源泉ではないだろうか。ピュタゴラス学派のシンボルの五芒星であるが、それは、4+1から来ているのではないだろうか。即ち、四次元+統一ではないだろうか。あるいは、四大+空=五大であろうか。