ヤハウェと連続・同一性衝動:ポスト・ユダヤ/キリスト教西洋文明と

ヤハウェと連続・同一性衝動:ポスト・ユダヤキリスト教西洋文明と新コスモス文明創造:人類大進化期


テーマ:一神教多神教


ユダヤキリスト教の神であるヤハウェ(エホヴァ)であるが、それを、プラトニック・シナジー理論から分析したらどうなるだろうか。これは、既に論じた事柄であるが、最近の観点から、見てみたい。
 差異共振シナジーの+エネルギーが連続・同一性力動となり、現象界を仮象すると考えられる。そして、このエネルギーがヤハウェと表現されたと考えられるのである。もっとも、エネルギーの度合いがあるが、ヤハウェ力動の場合は、+エネルギーの極限のような強度があったのではないだろうか。それは、全体的連続・同一性自我衝動と言っていいように思えるのである。換言すると、全体主義的衝動である。あるいは、全体主義的自我衝動、即ち、独裁者的衝動である。そして、これが、また現象自我の根源と共通すると考えられるのである。そう、現代日本の、あるいは、現代世界の、精神病理的な傲慢な人間の意識の基盤はこれと共通するのではないだろうか。
 とまれ、この、いわば、連続・同一性全体主義的自我衝動(ヤハウェ衝動とも呼べよう)は、当然、徹底して、差異・特異性を排除する。旧約聖書におけるヤハウェの異教への酷烈無惨な排除を見よ。これは、連続・同一性衝動としては、当然である。それは、差異の否定の衝動であるからである。そして、これが、イエス・キリストないし救世主・メシアを生み出すというのも、論理的である。連続・同一性の果ては、現象であるのだから。だから、ユダヤキリスト教は一体として捉えてもおかしくないのである。(今、ふと思ったが、イスラーム教とは、ユダヤキリスト教を取り込む形の啓示宗教であるが、預言者ムハンマドに啓示された超越神の言葉であるが、しかし、これを、より広いコンテクストで見ると、聖霊教の始源的な形ではないかと思ったりするのである。即ち、聖霊が、ムハンマドに訪れたと考えるのである。)
 そして、さらに論理展開すると、連続・同一性の+エネルギーが終了して、−エネルギーへと反転する時が来るのである。それは、差異共振性への回帰であり、さらには、イデア界への回帰のように思えるのである。図式化しよう。

1.差異共振シナジー

差異1∞差異2∞・・・∞差異n (∞を零度共振の記号とする)


2.連続・同一性+エネルギー作用:

差異1=差異2=・・・=差異n


3.不連続・共立性−エネルギー作用:

差異1/差異2/・・・/差異n


つまり、−エネルギー作用は、単に、差異共振性へ戻るだけでなく、その極性の反対極の、イデア極に戻るように思うのである。そう、思うに、これが、不連続的差異への志向性ではないだろうか。連続・同一性の全体性・集合性・集団性を断ち切るように作動するように思うのである。そして、その結果、純粋な差異共振シナジー場が発生するように思えるのである。即ち、−エネルギーによって、メディア界のイデア極へと振れることによって、現象界の連続・同一性の構造(の桎梏・拘束・束縛)から解き放たれて、脱して、純粋な差異共振シナジー界を形成するように思えるのである。不連続的差異論が正に、これを成就したと思うのである。これまで、おそらく、プラトン除いて、ほとんどの者が明確に達成するのに失敗した「イデア界」にこれで、到達できたと考えられるのである。思うに、これは、−エネルギーの発動が基本的に、「宇宙」・コスモスにあるのだろう。そう、イデア界の変動、そして、メディア界での−エネルギーへの転換があってのことだと思われるのである。つまり、「宇宙」・コスモス全体が、今や、発出された−エネルギーに浸透されていると思われるのである。−エネルギーが「宇宙」・コスモスを貫いているように思えるのである。イデア界への方向へのエネルギーの流れである。しかし、正確には、イデア極への方向である。
 だからこそ、反動が強烈なのである。グローバリゼーションは、大反動だと思う。新自由主義もそうである。そして、日本や世界の精神病理現象もそうだと思うのである。これまでの、ほとんどの知では、この事態は対処は不可能だと思うのである。特に、近代主義の知は、無能である。だから、今日、学芸・アカデミズムが地に落ちているのである。プラトンニーチェフッサールホワイトヘッドくらいを除いて、ほとんど、現代の事象に対処することは不可能である。しかし、不連続的差異論&プラトニック・シナジー理論こそ、この事象を明晰に解明している今日、唯一の理論であろう。
 ここでは、簡単に現状を述べて終えたい。今日、−エネルギー、即ち、不連続的差異への方向性があり、それは、差異共振シナジーを形成するものであるが、それに対して、+エネルギーが構築した連続・同一性全体主義自我の構造の反動が強烈なのである。そのために、現代人は、精神分裂状態に陥っているのである。−エネルギーが実際には、作動・作用しているのに、意識は、+エネルギーの連続・同一性全体主義自我=近代的自我のままであるから、この事態に対処できず、狂気・無能状態に陥っていると考えられるのである。
 そう、現在、ヒズボラへのイスラエルの攻撃は、結局、この大反動の一環と見ることができるだろう。アメリカ(キリスト教プロテスタンティズム)とイスラエルユダヤ教)とのペアは、正に、現代における、過去の+エネルギーによる連続・同一性全体主義自我の大反動を象徴的に意味するだろう。確かに、現在は、逆ハルマゲドンである。結局、どうなるのだろうか。「宇宙」・コスモスの力は、それらに味方していないのである。彼らこそ、アンチキリストである。直観では、新多神教、新母権制、新コスモスの文明が生まれるのである。それは、ポスト西洋文明である。差異共振シナジー文明が、これまでの父権超越神西洋文明の成果を活用して、差異共振シナジー資本経済文明を創造することだろう。後一歩である。今や、大陣痛の時である。このユダヤキリスト教西洋文明の大反動を乗り越え、新たなコスモス文明を創造する時である。超転換期である。人類大進化期を今、迎えているのである。