岸信介の国家統制経済とはファシズム・全体主義であり、それを戦後日

岸信介の国家統制経済とはファシズム全体主義であり、それを戦後日本は踏襲しているのだ。


テーマ:安倍政権と日本の政治


最近の政治を見て、戦前的に全体主義化しているので、そして、これには、岸信介が強く関係するので、岸信介のことが気になって、『現代思想 1月号』を少し読んだ。「岸信介とは何か」小林英夫/成田龍一(聞き手)と
岸信介を蘇生させる時代精神の危うさ」纐纈厚(こうけつ・あつし)を読んだがとても勉強になった。(この号はお奨めである。)
 結局、戦時の国家統制経済を作った岸信介が、戦後もそれと同形の国家統制経済を構築したということである。今は、詳述しないが、私は、実に腑に落ちたのである。戦後日本の「社会主義」体制はこれが起因である。そして、安倍政権もこれを踏襲しているのである。これで、戦後の日本の政治の謎はほとんど解けるのである。
 哲学で言うと、やはり、ヘーゲル哲学である。私はファシズムの哲学の起源としてヘーゲル哲学を考えているが、岸信介の国家統制経済は、ヘーゲル哲学的である。もっとわかりやすく言えば、岸信介の政治・経済はファシズム全体主義であるということである。それで、小泉/安倍の全体主義ファシズム路線が明快に説明できるのである。つまり、日本は、戦前・戦時を清算せずに、継続してきたのである。戦後民主主義は、ほとんどお題目である。
 今は余裕がないので詳述できないが、結局、これは、父権主義・封建主義的発想をもっているのである。下級武士等が作った近代日本は、父権主義・封建主義が強く、それが、岸信介ファシズム全体主義につながったと思われるのである。もっとも、東條英機の軍事ファシズムも考慮しなくてはならないが、哲学的には、同類と見ていいだろう。
 私は日本文化は、本来、差異共振シナジー文化であると述べてきた。それは、差異・個の文化である。神仏習合がその現れの一つである。しかし、これが、近代化で、滅ぼされたのである。日本人は、個から自我へとなり、国家ナショナリズムに染まったのである。そして、この近代化がファシズム全体主義を形成し、それが、解体することなく、戦後日本も形成したのである。これで、理不尽な日本の説明がつくのである。日本人の力のものを言わせた傲慢さ、知性の貧困は、ここから来ているのである。正に、近代主義が、そう、近代主義ファシズム全体主義が、日本を支配しているのである。
 理性・知性ではなく、狂気・暴力・野蛮が支配しているのである。それで、今や財政破綻の瀬戸際で、亡国状態となっているのである。

現代思想 2007年1月号 特集=岸信介〜戦後国家主義の原点 (ムック)
http://www.amazon.co.jp/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%80%9D%E6%83%B3-2007%E5%B9%B41%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E7%89%B9%E9%9B%86-%E5%B2%B8%E4%BF%A1%E4%BB%8B%E3%80%9C%E6%88%A6%E5%BE%8C%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E5%8E%9F%E7%82%B9/dp/4791711580/sr=8-1/qid=1169280874/ref=sr_1_1/250-8960880-5103431?ie=UTF8&s=books



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■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Digest 2007年 1月20日号(平日毎日発

行)



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■ 日銀が死んだ「利上げ見送り」 政府与党の強権と福井総裁の保身
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 すったもんだの末に日銀は利上げを見送った。福井総裁の進退問題もかかった
この
一件は利上げ反対の政府自民党の完勝。「結局、福井は自己保身に走った」とい
われ、
これで日銀の独立性は完全に失われた。

※ ※ ※

 諸外国の金利が5.25%(英米)、3.5%(欧州中央銀行)であるのに比
べ、
今回、日銀・福井が画策した利上げは0.25%→0.5%という視力検査みた
いな
数字。それでも、きのう(18日)の日銀金融政策決定会合では賛成6、反対3
で追
加利上げの見送りを決定した。
 福井総裁は会見で「強弱さまざまな経済指標が出ていて、今後の経済・物価情
勢を
さらに見極めることが必要と判断した」と言ったが、これは明らかに政府・自民
党の
「利上げやめろ」の圧力に屈したものだ。
 先週末、利上げの観測が流れると、政府与党内からは「追加利上げで上げ潮路
線に
水をさす気か」「景気が腰折れすれば選挙に響く」と相次いで批判が出た。中で
も中
川幹事長が周辺に「関東軍のようなマネはさせない」と語ったことが伝わって、
福井
はビビった。
「ところが、政策委員会直前になると、政府サイドから利上げ容認の声が出始め
たの
です。これは利上げ後に景気が後退すれば『判断を間違えた福井は辞めるべき』
とす
る布石。それに気が付いた福井総裁が自己保身で『利上げ見送り』に舵を切った
ので
す」(事情通)


toxandoriaの日記へのTB
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070114