米国多極主義の意味:情報的差異共振シナジー革命が現在進行形で、量

米国多極主義の意味:情報的差異共振シナジー革命が現在進行形で、量的資本の論理が古くさくなったのだ


テーマ:多極化/脱近代西洋/東アジア


以下、田中宇(さかい)氏の興味深い論考である。

今回の安倍首相のアメリカ訪問は、晩餐会が開かれないなど、誰が見ても、冷淡な扱いだったと言えよう。だから、以下の説明は参考になる。

アメリカが多極主義路線ならば、安倍首相の民族国家主義は迷惑である。また、従軍慰安婦問題が日本に牙をむいている。

そう、アメリカの多極主義を仮定するなら、従軍慰安婦問題の解決が確かに重要である。

アメリカは、東アジアないしアジアにおける多極的経済圏を考えているのだろう。

そのとき、近代的民族国家主義は、阻害原因である。

しかし、私がわからないのは、本当にアメリカは多極主義路線にチェンジしたのか、ということである。

頭ではわかっても、ピント来ないのである。

もし、多極主義に切り替えたなら、根本的な経済観の変化があるはずである。田中宇氏は、資本の論理から多極主義を説明している。

しかし、これでは、不十分である。おそらく、力と量の資本からの離脱があるはずである。そう、今日は、いわば、高度情報資本主義である。

おそらく、情報革命が根底にあると思う。

IT革命、フラット化、等である。

そう、プラトニック・シナジー理論では、差異共振シナジー化として、説明する。

どうやら、ここにポイントがありそうである。資本というよりは、情報の差異共振シナジー革命があるのだろう。

卑近にインターネットが生活革命を為している現在を見ればいい。このブログでさせ、Web2.0革命である。
http://www.sophia-it.com/category/web2.0.jsp

思えば、以前、差異共存共創主義と私は言ってきたが、正に、Web2.0はそれである。

結局、情報的差異共振シナジー革命が現在進行形であり、それによって、これまでの量的資本の論理が古くさくなったということであろう。

これが、多極主義を志向する根本の理由であろう。

田中氏が言った「資本の論理」とは、情報的差異共振シナジー革命による資本の論理ということであろう。

量的資本ではなく、質的資本が中心になってきているのである。

完全に、近代主義、近代的資本主義の終焉を迎えていると言えよう。

ポスト・モダンも超えて、トランス・モダン的資本主義革命が最中にあると言えよう。

これは、ポスト資本主義と言うこともできよう。

そう、差異資本主義と私は言ってきたが、正に、そうである。

差異的価値、差異共振シナジー価値が全面に出現しつつあるのである。

これは、人類史的革命である。

近代の終焉である。

私流に言えば、超越的エネルギーの差異共振的多元創造の世界時代に突入したのである。

超越的水平差異共振シナジーのワールド・エポックである。

後で、再考したい。

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安倍首相は、4月27日から2日間という短い日程でアメリカを訪問した。これに対する日本とアメリカ(米英)のマスコミ報道の論調は、対照的だった。

 日本のマスコミ報道は、安倍首相とブッシュ大統領が、北朝鮮に対する制裁強化で一致するなど、安倍訪米によって日米が親密さを確認し合ったという見方で貫かれている。しかし、アメリカのマスコミでは、安倍に対して批判的だったり、日米関係がうまくいっていないという論調が目立った。

 最も過激(歪曲的?)なのは、ニューヨークタイムスの東京駐在のノリミツ・オオニシ記者(日系アメリカ人。日本の右派や外務省は彼を毛嫌いしている)の記事である。

 安倍訪米前日の4月26日に流した東京発の記事(Japan Premier to Visit a Politically Changed Washington)では「以前に目立つ訪米をした小泉前首相とは対照的に、安倍は戦争責任について批判的な質問をされたくないので、就任から7カ月目もたってからの初めての首相としての訪米なのに、ワシントンに1泊しかせず、なるべく目立たないよう行動する。こんな日本の指導者は初めてだ」と書いている。(関連記事その1 、その2 )

(安倍自身は、首相が就任直後に訪米する必要がないほど、日米関係は成熟したのだ、と弁解している)(関連記事 )

 日本のマスコミでは、北朝鮮に対する姿勢の日米の一致が、日米の親密さの象徴として示されているが、これと対照的に、オオニシの記事は「北朝鮮は、拉致被害者のうち生存者はすべて帰国させたと言っているのに、日本は、拉致問題が解決しない限り6カ国協議の取り決めを実行しないと言っている。ブッシュが北朝鮮への態度を緩和したにもかかわらず、安倍はいまだに態度を変えず、日米の食い違いが拡大している」と分析している。慰安婦問題についても「アメリカでは保守派の政治家さえ、ナショナリスト(右翼)の安倍と親しくしすぎるのは良くないと言い出した」と書いている。

▼小規模夕食会の理由は批判回避?それとも友情育成?


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アメリカだけが重要だった時代の終わり

 戦後の日本の価値観では「アメリカは日本にとって絶対的に重要な国なので、首相が訪米時に中傷・侮辱されても、気がつかないふりをして耐えた方が良い」という考え方が強く、日本のマスコミは「安倍訪米で日米同盟はますます強い絆になった」という「見ないふり」報道が目立つ。しかし、日米を取り巻く情勢を全体的に見ると、もはや日本にとってアメリカだけが絶対的に重要である時代は終わりつつある。アメリカは衰退しつつあり、世界は多極化しつつある。


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 ロイター通信は「アメリカ衰退を示すドル下落」(Dollar decline tracks U.S. fall from grace)と題する記事を流し「アメリカの経常赤字と財政赤字の増加、ドルの下落、ニューヨークが世界経済の中心ではなくなっていることなど、60年前の大英帝国の衰退を思わせるような、アメリカの衰退が起きている」と書いている。(関連記事 )

意味がなくなる日本の対米従属
2007年5月1日  田中 宇


http://tanakanews.com/070501JPUS.htm