サブプライムローン問題と『マクベス』:連続的同一性=交換価値のも

サブプライムローン問題と『マクベス』:連続的同一性=交換価値のもつ魔力の反復としての投機・バブル


テーマ:金融・為替・株式・債券・通貨・税


今は余裕がないので詳論できないが、一言本件について述べておこう。

 シェイクスピア のいわゆる四大悲劇の一つに『マクベス

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%99%E3%82%B9_%28%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%A2%29

がある。主人公 のマクベス は武将 であるが、自分が王になるという魔女 の予言 に魅せられて 、ダンカン 王を殺害して、王位を奪うが、結局、魔女 の言葉 に誑(たぶら)かされるように、善良な武将 たちに反撃されて、貴族のマクダフに殺される陰惨・凄惨 な悲劇である。

 私は、主人公 マクベス をそそのかした魔女 の予言 が正に、サブプライムローン ・バブル の問題に通じると感じた。王の臣下に過ぎないマクベス が魔女 の誘惑する言葉 に魅せられて 、王位を自ら簒奪 したのである。魔女 の予言 がバブル の投機 speculationに相当するだろう。

 貧乏 人のあなたたでも、住宅 を買うことができ、さらには、利益 を増やせますよという誘惑の言葉 が、魔女 の予言 である。つまり、サブプライムローン の貸し手は、魔女 になったのであるし、同時に、マクベス にもなったのである。貧乏 人ではあるが、彼らに貸せば、たいへんな利益 になるのだと、バブル に魅せられたのである。

 私は、この根因は、連続 的同一性(自我 )=交換価値のもつ魔力にあると思う。マルクスシェイクスピア の劇からよく引用 して貨幣の魔力を提示したように、交換価値の魔力が現実 に存在 しているのである。

 これは、差異(叡知)を否定しているので、また、自己中心主義であるので、この交換価値=連続 的同一性の魔力に打ち勝てないのである。金融資 本主義が続く限りに反復されると思う。

 差異化しないといけないのである。つまり、同一性=量的資本主義 ではなく、差異=質的資本主義 (共生的資本主義 )にパラダイム ・シフト しない限り、永続すると考えられるのである。

 質的に投資 しないといけないのである。これは、ひいて言えば、日本の公共投資 もそうである。箱物や道路 では量的な公共投資 に過ぎず、財政 をさらに地獄 化するのである。質的な、差異的な公共投資 が必要なのである。

 今はここで留めたい。
 

参考:


 確かにそのとおりとわたしも思う。本来であれば、サブプライムの話を聞いただけで、「ん? それは危ないのではないか。いつか破綻するのではないか?」と踏みとどまるのが正しい判断だ。それが、「住宅価格が上昇しているから大丈夫」と勝手に思い込んで、どんどん突き進んでしまった。もし、過去を振り返り反省を生かすことができていたら、回避できただろう。

 すべてのバブルは、それが崩壊してみれば「強者どもが夢のあと」の虚脱感が漂う。いま、米国のローン会社、ローンを小口債券化した人々、それをファンドに組み込んで、グローバル・エクイティ・オプチュニティーズ(ゴールドマン・サックスの商品)などというしゃれた名前で売り飛ばした人々、週給 500ドルでありながら、住宅の価格上昇を前提に30万ドルで住宅を買ってしまって人々、すべてにえも言われぬ虚脱感が漂っている。数カ月前のあの「言われ無き熱狂(サブプライムのリスクを正しく評価していなかった、と白状したグリーンスパンFRB長官の言葉)」は何だったのか、みな胸に手を当てて考え込んでいる。


http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/98/index4.html


サブプライムには「徳政令」しかない


経営コンサルタント 大前 研一氏
2007年9月19日


toxandriaの日記へのTB
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070919/p1