自由主義経済の問題:資本主義的自由主義と差異共生主義:トランス・

自由主義経済の問題:資本主義的自由主義と差異共生主義:トランス・モダン共生体経済へ向けて


テーマ:トランス・モダン社会の創造・構築


自由とは何だろうか。西洋近代においては、封建体制というよりは、絶対主義的国家体制への反抗から自由が生まれたと言えよう。アメリカ合衆国の、イギリスに対する反抗としての独立戦争があった。
 ここにあるのは、経済を営む「市民」の自由を求める積極的闘争があり、また、その勝利があった。そして、近代的自由主義が生まれた。ここには、経済的市民の自由が主体であり、国家的束縛に対する反抗がある。
 問題は、この経済的市民の自由とは何か。当然ながら、それは、経済的フィールドにおける自由である。おそらく、本来、それしか意味しないはずである。だから、経済的自由主義と言えるのではないだろうか。そして、この場合の経済は資本主義であるから、資本主義的自由主義ということになるだろう。
 問題は、経済的自由主義ないしは資本主義的自由主義は、経済領域においてのみ、妥当であるのであり、他の領域においては、妥当しないという点にあるのではないだろうか。つまり、社会領域、生活領域、自然・環境領域、精神領域等においては、それは、本来妥当しないのではないだろうか。というのは、経済的自由主義・資本主義的自由主義は、力強いものであるが、それは、闘争・戦争的自由主義であり、他者破壊的であるからである。
 必然的に経済的自由主義/資本主義的自由主義を矯める、制御する原理が必要ということになるだろう。グローバリズムの現代、それが正に欠落していると言えよう。
 経済的自由主義/資本主義的自由主義は、経済以外の領域にとって、独裁よりは、一般には弱いが、それでもきわめて恐ろしい原理である。これは、言わば、交換価値絶対主義である。差異を利用しつつも、量的な同一性価値=交換価値を絶対視する原理である。これは、明らかに、自然な人間的価値、民主主義的価値、あるいは精神・文化的価値等々を解体・破壊するものである。つまり、端的に言えば、経済的自由主義/資本主義的自由主義は、民主主義に対立するのである。だから、自由民主主義という観念は、矛盾体である。自由主義vs民主主義が本体・真理である。(ブッシュのいう民主化とは、だから、正に、資本主義的自由主義イデオロギーであり、民主主義が出汁にされているのである。)
 とまれ、資本主義的自由主義と民主主義を分離する必要があり、前者を制御・統御する原理が必要である。それは何であろうか。非常に難しい問題であるが、一つは資本主義的自由主義よりも、すぐれた経済原理である。とりあえず、トランス・モダン経済原理と作業仮説しておこう。また、一つは、唯物論的認識の超克、霊的認識の普及であろう。これは認識の問題であるが、重要なものであり、前者のトランス・モダン経済原理を支える認識となると考えられる。
 では、トランス・モダン経済原理とは何だろうか。そのようなものがあるのだろうか。これまで、私が差異共振経済、差異共生経済、差異資本主義、共生資本主義等と呼んできたものがそれに当たると考えられるのである。プラトニック・シナジー理論によるトランス・モダン経済原理である。
 そう、以上の考察から、差異資本主義ないしは共生資本主義という用語は、自由民主主義と同じ矛盾体であるので、それは廃棄しないといけないだろう。差異共振経済、差異共生経済ないしは、以前使用した差異共創共生経済(差異共創生経済)と呼んでおきたい。便宜上、簡単に差異経済と呼びたい。(だから、資本主義は同一性経済である。)
 差異経済のポイントの一つは、生産し、得た利益(同一性)に対して、それを、差異共生価値(差異共振価値)と見て、独占化しないことである。森や自然を破壊して得た利益は、本来、自然や他者を内包した差異共生価値である。だから、それは独占することは不正なのである。差異共生価値としての利益なのである。だから、資本は差異共生資本となるのであり、投資も差異共生投資となるのである。
 資本主義企業は差異共生企業と転換して、差異共生投資をして、差異共生事業を展開することになるのである。おそらく、国家の役割は小さくなるだろう。この点では、新自由主義と同じである。そして、金融銀行は、差異共生銀行となるだろう。(このとき、銀本位制や無利子金融や消滅貨幣が役立つだろう。)
 問題は、差異共生経済の導入である。例えば、トヨタで考えよう。莫大な利益を上げているが、それは円安その他の影響でもたらされていると言えよう。トヨタの利益を差異共生価値と見ないといけない。環境破壊に対して、差異共生投資を義務づける必要がある。
 問題は、競争である。大企業から、差異共生投資をしていたら、競争に負けると言うだろう。しかしながら、莫大な利益を上げているのであるから、差異共生投資をしても、車の開発のための資本はあるはずである。もっとも、開発も差異共生投資に入るのである。よりよいものを目指すのは、差異共生主義に入る事柄である。差異は独創的でありつつ、共生主義なのであるからだ。
 ということで、資本主義的自由主義から差異共生経済への転換を簡単ながら説明した。
 

参考1:
自由主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
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自由主義(じゆうしゅぎ)とは政治思想 の一つ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9


Liberalism
From Wikipedia, the free encyclopedia

http://en.wikipedia.org/wiki/Liberalism


参考2:
ジョン・ロールズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
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ジョン・ロールズ(John Rawls, 1921年 2月21日 - 2002年 11月24日 )は、20世紀アメリカ を代表する政治哲学者 、道徳哲学者 。
1971年 に刊行した『正義論 』(A Theory Of Justice
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA
John Rawls
From Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/John_Rawls


toxadriaの日記へのTB
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070928/p1